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2008年05月15日

立会い出産

立会い出産・・・
この言葉は胸がチクリと疼く思い出となりました。

私の出産のイメージは
廊下に親族一同固唾を呑んで待ちわびるなか
「オギャーッオギャーッ」
ホッとした空気が廊下に漂い、分娩室のドアが開く。
部屋では手を握って励まし続けた夫が
「よくやったな」と妻をねぎらう。
緊張が解けた妻、ホロリ。
夫のほうがヘトヘトに見える。一緒に出産したんだもの。
「ありがとう・・・かわいい」

昔からこんなだ。

だから、立会い出産が嫌だとかのたまう夫は
夫として失格であり、当然離婚事由になりうる。
妊娠が発覚し、これを最初に夫に言ったときは
(本当に嫌なんだけど嫌と言えなくなった・・・)
という表情がありありと浮かんでいました。
仕事を理由に無理かもと言い続けた夫と
じゃあ離婚と言い切って脅す私。
長い妊娠期間の間に彼も覚悟を決め
夫の立会い出産は公然の約束となりました。

さて、出産の朝。
予定日より早く「おしるし」があり
これは「そろそろ産まれる」というサインであって
「今日産まれる」というサインではないのだが
母が「今日よ今日よ!」と断言した為
「今晩産まれるかもよー、昼寝して準備しておいて」
と早朝から夫に電話しておきました。
思えばこれも小さな間違いだったのかもしれない。

午前中は早く産まれる様にと
ウォーキングに勤しみ(3時間半)
午後からほんのりと陣痛が始まりました。
当然陣痛は経験したことがないため
これが陣痛!とそのときは言い切れなかったのだが
なんとなく定期的に痛い。それに結構痛い。

陣痛が10分間隔になったら病院に来いと言われてたのだが
病院に電話しても「8分間隔になったら」「5分間隔になったら」
と縮まるばかりで、なかなか「来て下さい」と言ってくれない。
グズグズしてる間に
行く途中で破水とか産まれちゃうとか・・・
そんな事があったら怖すぎる!

というわけで
はっきりとした5分間隔になる前に
「とっても痛い陣痛が5分間隔です」
と嘘をついてまで初産婦にありがちなフライングを犯し
おにぎり作って、夕方、母と病院に乗り込みました。
この時点でも夫に連絡。
「準備してるからね、がんばれ!」と彼も臨戦態勢。

そして病院。
・・・やっぱり早かった。
「今晩かもしれないし、明日明後日かもしれない。」
「なんとも言えない。」
・・・微妙すぎる診断。

陣痛室で母と二人、おにぎりモリモリ食べつつ様子を見てみたが
1時間待ってみても分からない。
本当にこれが陣痛なのか私にはもう分からない。
だから誰にも分からない。

自信がなくなったせいか痛みも治まった気がするので
いったん帰ろうと思ったが
「もう危ないから、念のため泊まった方がいい」
という事になってしまい、母だけ帰宅してしまった。
あーもったいない、入院費。1万円くらいするのに。

明日の朝になったら夫も仕事に行ってしまうので
夜のうちに産みたかったのだが
これは難しいかも・・・。
そんな状況を夫に連絡。
「今晩か明日以降か、まだ全然分からないの」
「いつでも電話受けられるようにしておくから!」
頼りになるぅ。

そんじゃーとのんびり構えてベッドに横になること30分
・・・きたきたきた!
これは・・・陣痛だ!
今までの比じゃない辛さ!
さっきまでの私に教えてやりたい。
「そんなのは痛いうちに入らぬ」と!

助産師さんに診断してもらうと
「子宮口が開いてます、今晩産まれますね」
ついに来ました。
早速夫に電話。・・・で、出ない、全然出ない。
陣痛は容赦なく襲い、もう立っていられないと一度電話を切る。
嫌よっこのまま一人で産むのだけは!
そうだ、母に来てもらおう!

「もしもし、産まれそうなんだけどぉ!!」
「んーなに?」
「彼電話が通じなくてさ!!」
「ん?でどうすればいいの?」
「彼が来れなかったらお母さんに来てほしいんだけど!!」
「んん、んでどうすればいいの?」
「・・・(埒が明かない、何故?)・・ウッ陣痛来た!」
助産師さん登場、「いま旦那様から病院に電話あって、来ますって」
「じゃ来ないでいいわ!」
「ん〜じゃあねぇ〜」

ああ、親族一同廊下で見守る(自主的に)のイメージが遠のく。
(後日、この時母は完全に寝ぼけていたと判明)
でもいいわ、夫がいれば。そうよ家族だけの出産、いいじゃない!
うぉぉ、でもこりゃあ痛いわ!

陣痛室では隣の部屋のお産が始まり、看護師さんも出払い
孤独な戦いが続く。
早く来い夫!
腰をさすってくれ!
汗拭いてくれ!水取ってくれ!
ハッでも彼ったら写真とか撮りだしちゃかも
苦しみつつ最低限の顔をキープしたい・・・
無理だ、写真はやめろと言おう。

隣の部屋からはすごい「いきみ声」が。
恐ろしい声だ。
夫がこれ聞いたら引いてしまうのでは。
もうちょっといい声(色っぽい声)でいきめないか。
ちょっと練習してみよう・・・
無理だ、そんな事やってる場合じゃない。

陣痛の合間にさまざまな考えが浮かび
陣痛に襲われる度に消えていく。

にしても遅すぎるぞ夫!
事故にでもあったか?
こんな時にやめてくれぇ!

ついに隣から産声が。
おめでとう!おめでとう!
私も無事に産めますように・・・
ってもうなんか出てない?
看護婦さーん、誰かー!

天の助け(?)やっと誰か通り過ぎようとするのを呼び止める。
「あ、あの〜!!」

「ちょっと見てみましょう・・・あ、もうお産ですね!」
「はひー」(でしょう!?)
「よく一人で頑張りましたね」
「はひー」(そうですとも!)
「旦那さん遅いですね。連絡してみますね。」
「はひー」(ほんとですよ、まったくもー!)

バタバタとお産の準備がはじまる。
「旦那さん、家にいました。今から出るそうです!」
「・・・・!!!」
「ど、どうしますか?待ちますか?」
「もちろん待ちません!!」

そして初産にしてはとても早く
陣痛室に入ってから2時間足らず
分娩台に乗って30分もたたず長男誕生。
縫合もすべて終了して、分娩台で我が子を抱き
入院中に食べる食事のメニューの説明などを聞いている時に
ようやく夫は登場した。

「・・・ご、ごめん!」
「おおおお遅いよ!!!」

遅刻の理由を聞けば、
朝からワクワク浮き足立って昼寝もできず
病院から電話があった時には既に疲れ果て
急な眠気に襲われ運転するのは危ないと考えて
仮眠を取った・・・らしい。

あほー!!!

そんなしょうもない理由で・・・!


私の出産はこんな顛末となりました。

ま。その時はもう一生許さんと思った私ですが
夫はあまり子供に興味を持てないタイプかと思っていたのに
その後はめちゃめちゃデレデレ、親の自覚も芽生えたようで
「立会い出産じゃなくてもこうなるのね〜」
と安心している今日この頃です。よかった。



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posted by 育児中の彩 at 23:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 出産前の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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